図子田商店の歴史と私

2022年、バルバリの本部(株)ザストを含む図子田グループは創業66年を迎えましたが、弊社には勤続67年のスタッフがいます。(※2023年1月現在)

以下は彼の記憶を頼りに記載しております。

ザストの前身である図子田商店は、群馬県桐生市の商店街にある既製服を販売する会社でした。8畳1間の小さな和室で、外注から出来上がった商品を検品し、東京の総合卸売問屋に卸していましたが「図子田の商品は、大変良い」と評判になり、とても良く売れました。

桐生市の縫製工場(現第3倉庫)

先先代の社長は「これからは自社縫製工場を持たなければならない」と思い立ち、工場を設立、私が図子田商店の縫製工場の初代責任者として選ばれます。この頃には社員が45名に増え、また仕事は大変忙しく徹夜で作業をする日々。

国の依頼でインドネシアに1ヵ月間、縫製の指導に行くこともありました。

やがて日本はバブル最盛期を迎えます。DCブランドブームなどもあり、各アパレル会社からの注文も多く、先代社長は中国、韓国、台湾、香港での生産をスタートさせ、海外にも大きく展開、しかし、やがてバブルは崩壊。販売先の会社が次々と倒産し、図子田商店も商品をさばききれず、やむを得ず焼却処分するなど、苦しい時を過ごすようになりました。

先代社長は苦しくなる一方の業績に危機感を抱き、通信販売への参入したり、またこの頃、現在のバルバリの礎となる「アウトレット」という良い品を定価の約70%OFFで販売するお店を東京の人形町(現・バルバリ人形町店)にオープンさせました。そして(株)ザストを設立。アウトレットショップを出店し今に至ります。

現在、現社長が先代社長の志を引き継ぎ「皆様に喜んでいただけるお店」を目指して日々奮闘しています。自分の過去を振り返ってみれば苦労もありました。取引先が倒産して多額の未回収金が発生したり、女性の多い職場で人間関係のいざこざも多く苦労したこともありました。本当にこの67年間はいろいろなことがありました。私も現在81歳になりました。今まで一生懸命、真面目に勤めて参りました。また先先代の社長と奥様に拾っていただき、先代の社長と奥様にはとてもお世話になり、そして今でもお世話になっています。とても言葉では言い表せないくらい感謝をしております。

2022年で第一線の現場は退かせて頂きますが、植木やお稲荷さんの管理などで引き続き貢献させていただき、これからも邁進していくザストを陰ながら見守っていければと思っています。

2023年1月5日 上原 真司